コヤニスカッティ
- Aloysius' Rating: 4/10
1982年 アメリカ 86分
監督:ゴッドフリー・レジオ


前半はおもに自然の風景。モニュメントバレーを空撮でなめたり、波を高速度撮影で写したり、雲を低速度撮影で写したりする。後半はロサンゼルス、ニューヨークまたはラスベガスの都市空間で、カメラがスラム化したプロジェクトの上空を飛び、低速度撮影で車が走り、工場で物が作られ、インプルージョンで建物が破壊され、ひとが道を歩き、ひとが消費する。そしてときおり思い出したかのように路上のひとが高速度撮影でゆっくりと動き、あるいは顔の見える人物がほとんど静止した状態で地下鉄や町を背景にして現れ、最後にロケットが爆発し(シャトルの補助ロケットか?)、全編にわたってフィリップ・グラスの音楽が流れる。世界の不均衡か何かを表しているらしいけど、特に後半では低速度撮影への極端な依存、人物の意図的な選択(労働者階級、貧困階級ばかりが登場する)を見ることになり、製作態度自体の不均衡が感じられた。フィリップ・グラスの音楽だけで、セリフもナレーションも一切なし、それで1時間半もたせようとした根性は買うが、必ずしも成功はしていない。

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