シップ・オブ・ノーリターン　グストロフ号の悲劇
- Aloysius' Rating: 　5/10
2008年　 ドイツ　102分　TV
監督：ヨゼフ・フィルスマイアー
出演：カイ・ヴィージンガー、ヴァレリー・ニーハウス、ハイナー・ラウターバッハ、ダーナ・ヴァヴロヴァ、ミハエル・メンドル

総トン数25000トンの客船ヴィルヘルム・グストロフはハンニバル作戦の一環として兵員、難民などあわせて10000人以上を乗せ、1945年1月30日、護衛艦は魚雷艇のみ、船長が事実上四人いるという状態でゴーテンハーフェンを出港してキールを目指すが、同日夜、ソ連軍の潜水艦S-13の雷撃を受けて沈没、9343名が死亡する、という史実をもとに製作されたドイツ製のテレビ映画。船長の一人ヘルムート・ケディングが婦人補助部隊にいる婚約者を救うために職務を投げ打って駆け回り、その婚約者は難民を救おうと必死の努力をしているものの、いかんせん何をするにも要領を得ず、しかもこの二人のまわりには敵のスパイの陰謀を暴こうとする人々が山ほどもいて、融通を利かせないためならばまったく手段を選ぼうとしない。大戦末期の荒んだ精神風土としてはおおむねそのようなものであろうと理解しているが、それを盛り込むだけ話に盛り込んで、そのあとで頭を使った痕跡があまりない。つまり同じ監督の 『スターリングラード』 と同様、いささか安い仕上がりになっている。
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