ウォンテッド
- Aloysius' Rating: 5/10
2008年 アメリカ/ドイツ 110分
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:ジェームズ・マカヴォイ、モーガン・フリーマン、アンジェリーナ・ジョリー、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン
googleで自分の名前を検索しても結果が0件になる男ウェスリー・ギブソンが惨めな現実に首まで浸っていると、そこへ謎の美女が現われていきなり銃撃戦に引きずり込み、続いて謎の組織が現われてウェスリー・ギブソンの秘密を明かし、暗殺者となって組織に加わるように求め、さらにお金をたくさんくれるので、口座残高を見たウェスリー・ギブソンは前日までの日常を捨てて暗殺組織の一員となり、殴られる蹴られるなどの過酷な訓練に放り込まれる。で、この謎の暗殺組織というのがもともとはモラビアかどこかの機屋の組合で、織機から出てくる織物に現われる暗号を読み解き、そこに見出される名前の持ち主を殺して世界のバランスを保つというような仕事を千年前からやっていて、そしてその殺し方というのが機屋の集まりとは思えないほどいちいち騒々しい。訓練を終えたウェスリー・ギブソンは暗殺の任務に狩り出されて銃弾の弾道を曲げて標的を撃ち、組織の裏切り者を始末するためにモラビアへ送られていまさら誰も聞きたくないような真実を知り(それだけのために列車一編成が谷の底、というのはやりすぎであろう)、アメリカへ戻って組織の本部に単身乗り込み、諸悪の根源と宿命の対決をする。
『ナイト・ウォッチ』
と微妙に似通った世界ではあるが、敵と味方のあいだの馴れ合いめいた要素はここにはない。好みの問題かもしれないが、実はここが肝心なところで、つまらない真相のために正体のぼかした敵をただ追うだけでは展開がどうしても単調になり、相当に作り込まれた見せ場の連続も皮相の視覚描写にとどまって、しばらくすると退屈になる。ジェームズ・マカヴォイのモノローグと主人公周辺のわびしい日常描写は冴えていると思う。
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