マフィアの妻たち
- Aloysius' Rating: 4/10
2005年 ドイツ 196分 TV
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー
出演:ララ-ヨイ・ケルナー、ギュンター・ジリアン、マリオ・アドルフ、マックス・ティドフ、エヴァ・マリア・バウアー
60年代のドイツ。イタリア人がむやみと住んでいる村があって、その村で祖父母と暮らす22歳の娘ヴェラはシチリア出身のガエターノ・スカリに言い寄られて恋に落ち、祖父母の反対を押し切って婚約、間もなくガエターノの子をはらむ。ヴェラはガエターノと結婚するが、ガエターノは愛情深い一方、男尊女卑の豚野郎で、しかも本物の大馬鹿野郎であったので、まともなことは何一つできず、ヴェラが娘を産んだあと、一家は安定を求めてシチリアへ移る。シチリアではガエターノの叔父カルロが一家を迎え、ガエターノに職を与えるが、運送屋の運転手の仕事なので、金持ちになる野心を抱くガエターノとしては面白くない。そこへ友人アントニオ・ヴィッチーニがガエターノの妹と駆け落ちしてシチリアへ現われ、ガエターノはこのアントニオにそそのかされてなにやら悪事へとはまり込むが、実際のところ、何がどうなっていたのか、はっきりとした説明がないのでよくわからない。きわめて抽象的に悪に染まり、女房に隠れて浮気などもしていると、アントニオがカタニアのボス、ヴィンチェンツォ・マンダニの怒りを買って袋にされ、そのことを恨みに思ったガエターノがマンダニを殺し、アントニオがガエターノの妹と結婚したことでマンダニの一家の怒りはスカリの一家へと向けられることになり、カルロは殺され、ガエターノも命を狙われ、諸悪の根源がアントニオにあると見抜いたヴェラはアントニオを射殺する。
ドイツ製のTV映画で、登場人物の大半はシチリア系のイタリア人だが、出演者のほとんど全部がドイツ人で、これがイタリア語訛りの怪しいドイツ語で会話をする。シチリア移住までで100分弱あり、この第一部は60年代の気の抜けた青春映画を思わせるはなはだ気の抜けた演出が全編を貫き、第二部で話がカタニアに移ってからは、気の向くままに状況だけをつなぎ合わせ、結婚式の場面ではバンドが
『ゴッドファーザー』
や
アマポーラ
を演奏し、ヴェンデッタ・レベルが上がったところで洗礼式がおこなわれ、つじつまのことをほとんど考えていない。作り手を動かしているのが題材への憧憬、というよりも劣情だけなのである。気持ちはわからないでもないものの、ドイツ人のこの楽しいマフィアごっこに三時間つきあうためにはいささかの忍耐を必要とする。かなりファンタジックなとめどのなさが、ある意味、この監督の持ち味なのであろう。前にも戦争の悲惨をネタにして同じようなタッチの
映画
を作っていた。
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