わが教え子、ヒトラー
- Aloysius' Rating: 5/10
2007年 ドイツ 95分
監督・脚本:ダニー・レヴィー
出演:ヘルゲ・シュナイダー、ウルリッヒ・ミューエ、シルヴェスター・グロート、アドリアーナ・アルタラス、ステファン・クルト
1944年の末、新年の演説を間近に控えたヒトラーは自信を失い、千年帝国のお荷物と化していたので、名案の宝庫であるゲッベルスはユダヤ人の俳優アドルフ・グリュンバウム教授を収容所から引っ張り出して演説指導者としてヒトラーにあてがう。グリュンバウム教授は家族の解放を条件に仕事にかかり、隠し切れない殺意を持って至近距離からヒトラーをいじり、一方、ヒトラーはグリュンバウム教授の手助けを得て自らの内面と対決し、父親への憎悪を語り始める。その頃、ゲッベルスはヒムラーを間近に呼んで陰謀をたくらみ、その陰謀を背後で聞いたシュペーアは事実をヒトラーに伝え、寒さに凍えるヒトラーはグリュンバウム夫妻の寝床にもぐり込み、明けて新年、演説の本番を迎える。
第二次大戦中から物陰で交わしていたヒトラー関連ジョークをついに映像化して、あのときにはあの理由でできなかったし、そのあとはこの理由でできなかったけど、それでもついに映像化してしまったのだ、という、やってはいけないことをやってしまったときに覚えるような、きわめて微妙な種類の興奮がスクリーンの向こうから伝わってくる。民族的な(それも二重の意味で)内面と対決しようと試みる勇気は賞賛に値するが、つまり出来上がったものはヒトラー系の小ネタを放り込んだ一種のバラエティショーなのである。笑えるところは多々あるが、それ以上のものではない。
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