未来は今
- Aloysius' Rating: 7/10
1994年 アメリカ 105分
監督:ジョエル・コーエン
出演:ティム・ロビンス、ジェニファー・ジェイソン・リー、ポール・ニューマン、チャールズ・ダーニング、ブルース・キャンベル、スティーヴ・ブシェミ
1958年が間もなく終わろうという頃、ハッドサッカー産業の社長で会社の株式の八割を保有するウェアリング・ハッドサッカーが四十四階にある重役室の窓を破り、飛び降りたウェアリング・ハッドサッカーが相続人を決めずにいたため、社の規定によって社長の保有株は市場に放出されることになり、事実上、経営権が売りに出されることを知った重役連は慄然とし、そうなる前に自社の株を買いあさろうと考えて株価の引き下げをたくらんで、ぼんくらのように見える郵便係ノーヴィル・バーンズを社長に据え、たくらみは功を奏してハッドサッカーの株価は暴落するが、ノーヴィル・バーンズがフラフープを発明したために記録的な高値に転じるので重役連はまたしても慄然とし、そこで重役シドニー・J・マスバーガーはノーヴィル・バーンズに関する悪評を流すので、名誉を奪われ、失意のどん底に転落したノーヴィル・バーンズはハッドサッカービルの四十四階から転落し、長い長い転落のあいだに奇跡が起こる。
あえて分けて考えれば会社側がフランク・キャプラ風、新聞社側がハワード・ホークス、という感じではないか、という気がする。つまり1930年代から50年代あたりのスクリューボール・コメディのエッセンスが詰め込まれているわけだけど、ときどき視覚的に妙に荘重になるところがフリッツ・ラングを思わせるし、ドイツ表現主義のパロディのように見えるところもあるし、最後のほうにはデュヴィヴィエあたりが入っているような気もしないでもない。やりたい放題、なのであろう。ハッドサッカー産業地下世界の辛辣な描写とポール・ニューマンの悪役ぶりがとにかく楽しい。脚本にサム・ライミが参加している(第二班監督もやっている)。
IMDb で
を検索します。
* Search provided by
The Internet Movie Database
.