ブルグ劇場
- Aloysius' Rating: 6/10
1936年 オーストリア 103分
監督:ヴィリ・ホルスト
出演:ウェルナー・クラウス、オルガ・チェーホワ、ホルテンセ・ラキー、ウィリ・アイヒベルガー、ハンス・モーザー
王立ブルグ劇場の専属俳優で名優の誉れも高いミッテラー氏は人付き合いをことごとく退けてプロンプターとともに天井が異様に低い部屋で暮らしていたが、ある日、教会で仕立て屋の娘レニが祈る姿を目撃し、恋に落ちる。一方、レニは下宿人の若い俳優ライナーに焦がれていたが、そのライナーはブルグ劇場のオーディションに失敗、失意のライナーを助けるためにレニは届け物に訪れたミッテラー氏の部屋からゼーバッハ男爵夫人の宴会の招待状を盗み出し、封書を書き換えてライナーに送る。男爵夫人に目をかけられたと思い込んだライナーは男爵家を訪れ、ミッテラー氏の欠席に驚いた男爵夫人はあてつけにライナーを招待客に紹介し、これによってライナーはブルグ劇場に端役を得る。この間、ミッテラー氏はレニへの思いを深め、またレニの感情を自分に都合よく解釈し、そのレニは役を得たライナーが男爵夫人に感謝を捧げるのを見て悲しみを深める。そして帝政時代のウィーンの話なので男爵夫人とライナーの関係は誤解を受けて瞬く間に町の醜聞となり、顔をこわばらせた男爵が領地から現われてカフェでライナーと対決し、醜聞を恐れたブルグ劇場はライナーの処分を検討する。それを知ったライナーは自殺を決意、ライナーを救うためにレニはミッテラーを訪れて真実をたどたどしく告白し、自分の思いが空回りしていたことを知ったミッテラーは楽屋の鏡を見つめて笑い始める。
劇中でミッテラーが演じる「ファウスト」がモチーフとたくみに絡み合い、そのミッテラーを演じるウェルナー・クラウスがなんとも言えずよい味である(クライマックスの平手打ちには思わず息を呑んだ)。きわめて演劇的に構成された作品だが、登場人物は端役にいたるまでよく練り込まれ、細部の描写にもこだわりがある。
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