ベクシル 2077 日本鎖国
- Aloysius' Rating:  4/10
2007年 日本 104分
監督:曽利文彦
出演:黒木メイサ、谷原章介、松雪泰子、朴路美、大塚明夫


ロボット関係のテクノロジーを独占した日本に対して国際社会が規制を加えようとすると、我が代表は堂々と退場して国連を脱退、日本全土を電子的に鎖国して、ただ虫のいいことに貿易だけは継続する。それから十年が経過して日本が怪しい策動を始め、それに気づいたアメリカ軍の現場暴走型特殊部隊SWORDは七名の隊員を勝手な判断で日本に潜入させるが、素人同然であったために攻撃を受け、素人同然である上に頭も悪い、要領を得ないという三重苦を抱えたヒロイン、ベクシルがたった一人、状況からの脱出に成功する。で、2077年の日本は全土が荒れ野に変わり果て、日本を支配している大和重鋼が開発したサイバーウィルスとかいうもので人間は機械生命体に変えられていて、荒れ野では進化に失敗した人間のなれのはてがちくわ状の巨大な群体となって同化すべき機械を捜し、防壁に守られたスラムでは機械化の途上にある人間がバザールな生活を送っているのである。最後はベクシルが地下組織と一緒に大和重鋼へ突入し、「日本民族」が消滅する。日本人ならまだわかるけど、「日本民族」っていったい何? アイデアはグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』とクーンツの『ミッドナイト』を足して、3で割って薄めた感じ。情緒や回想へすぐに流れる脚本は登場人物をただ並べていくだけのほとんど落書きのようなしろものだが、テンポの速さで救われている。メカニックな要素はていねいに描き込まれており、アクションもおおむねにおいて迫力がある。それに対して人間側のキャラクターは平面的で魅力に乏しく、悪の組織大和重鋼もヤクザの地回りくらいにしか見えてこない。

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