サン・ジャックへの道
- Aloysius' Rating:  6/10
2005年 フランス 112分
監督・脚本:コリーヌ・セロー
出演:ミュリエル・ロバン、アルチュス・ドゥ・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン、パスカル・レジティミュス、マリー・ビュネル


あるところに三人のたいそう仲の悪い兄弟がいて、長男は会社経営者で自殺願望のある妻を抱え、高校でフランス語を教える長女は失業者の夫と子供たちを抱え、一度も働いたことのない次男は酒びたりの日々を送っている。そこへ母親の死を知らせる手紙が届き、遺産を相続する条件としてサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼に三人で加わり、一ヶ月間旅をしなければならない、ということになり、信仰心のまったくない長男、そもそもカトリックに反発している長女、酒びたりの次男がほかの五人とともにガイドに率いられてフランス、スペイン国境の山を越えていく。ガイドや同行五名もそれぞれにキャラクターがあり、喧嘩をしながら歩き始めて、歩き続けるうちになんとなく心が穏やかになり、しかも健脚になっていくプロセスがていねいに描かれている。徒歩のペースにあわせたような少しばかり単調な場面つなぎも工夫があって面白い。人物の背景をやや埋め込みすぎて、そのせいで舌足らずになったような気配があるが、とにかく風景のきれいな映画である。出てくる教会などもなかなかにすごくて、ほとんど幻想的とも言える情景を眺めているうちにこちらも巡礼に出てみたくなった。

IMDb IMDb で  を検索します。
* Search provided by The Internet Movie Database.