戦火の奇跡　ユダヤを救った男
- Aloysius' Rating: 　6/10
2002年　イタリア　200分　TV
監督：アルベルト・ネグリン
出演：ルカ・ジンガレッティ、ジェローム・アンガー、アマンダ・サンドレッリ、フランコ・カステラーノ、マルコ・ビニニ、アマンダ・サンドレッリ

イタリア人の会社員ジョルジョ・ペルラスカは家畜の買い付けのためにハンガリーを訪れていたが、1944年末、ハンガリーに親ナチの矢十字党政権が誕生し、またそれに先立つイタリアの降伏によって身の安全が怪しくなり、偶然からユダヤ人の避難所に逃げ込むが、そこが親衛隊の襲撃を受けると隠れていたユダヤ人とともに脱出、スペイン内乱時代にフランコから受け取った直筆の感謝状を盾にしてスペイン大使館に駆け込み、スペインを含む中立国がユダヤ人を自国の施設に保護していることを知る。ところがその施設が矢十字党の襲撃を受けて避難していたユダヤ人が連行されるので、ジョルジョ・ペルラスカは自分が逃げ回っていたことも忘れ、スペイン大使を説得してスペイン国籍と外交官の身分を手に入れると舌先三寸を武器に駆け回って連行されたユダヤ人を連れ戻し、スペイン大使館が閉鎖されて大使がスイスへ逃亡すると、今度は勝手に領事を名乗ってブダペストの軍司令官と交渉し、ユダヤ人の安全確保に奔走する。 『シンドラーのリスト』 のイタリア版という感じだが、得体の知れない義人ぶりといかがわしさはこちらのほうが際立っている。一見したところ風采の上がらないこのイタリア製中年男がとにかくパワフルなのである。３時間を越える長尺だが、テンポはきわめて速く、後半やや舌足らずになるものの、テンションはおおむね最後まで持続する。とはいえハンガリーにおけるユダヤ人迫害のもっとも激しい時期の話なので、状況のむごたらしさに見ているこちらはかなりこたえた。
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