インベージョン
- Aloysius' Rating:  6/10
2007年 アメリカ・オーストラリア 96分
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーサム、ジャクソン・ボンド、ジェフリー・ライト


『ヒトラー 最期の12日間』 のオリヴァー・ヒルシュビーゲルによるジャック・フィニィ『盗まれた町』の映画化。雰囲気は ドン・シーゲル版よりも フィリップ・カウフマン版に近い。 冒頭でスペースシャトルが墜落して宇宙からもたらされた謎の生命体が広い地域に散乱し、それに触れた人間は「病気」になり、病気の人間の体液で感染が広がっていく。純然たるバイオハザードになっていて、繭は登場しない。本体が損なわれることもないので、回復することもできるのである。人間が別物になった恐怖というよりも、別物になったことで全世界に平和が訪れ、回復するとまた戦争が、というシニカルな視点のほうに重心が移り、舞台はワシントンDCになって、アクションは派手になり、きわめてB級的なバランスのよさでうまい具合にまとまっている。感染した人間が隔離されているのに感染した人間が世界政治を動かしていたのか、とか、細かいところはおそらく突っ込んではいけないのだと思う。ニコール・キッドマン独演会、という感じの映画でもあるが、それはそれで悪くない。ダニエル・クレイグの押さえた雰囲気もいい感じ。ニコール・キッドマン扮する精神科医の患者の役でヴェロニカ・カートライトが顔を出していた。

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