マイケル・ムーアinアホでマヌケな大統領選
- Aloysius' Rating: 6/10
2005年 アメリカ 88分
監督:スティーヴン・グリーンストリート


2004年の大統領選が終盤に近づいた頃、ユタ州オレム(人口92000)にあるユタバレー州立大学の学生自治会がマイケル・ムーアの講演会を企画する。すると人口の大半を占める共和党支持派が反発し、地元自治会の活動家は大学当局に中止を求め、共和党支持の学生は自治会首脳部のリコールを求め、それでも大学当局は中止を認めず、自治会も初心を貫徹し、マイケル・ムーアに先立って共和党支持の著名なTVパーソナリティ(ショーン・ハニティ)が講演会をおこなうとリベラルを槍玉に挙げて煽りに煽り、続いてマイケル・ムーアが登場すると共和党を罵倒して煽りに煽り、どちらも煽るだけ煽って来たところへ戻り、地元の当事者は後に残ってなんだか心に傷を負っているというドキュメンタリー。非常によく出来ていると思う。背景になった町の性格(もちろんほとんどがモルモン教徒)、政治的な傾向(ほとんどが共和党支持)などを冒頭で要領よくまとめ、あとは当事者のインタビュー、対立する双方(どちらもモルモン教徒なのである)が議論をする様子をあまりはしょらずにカメラに収め、その場にあった雰囲気を伝えようと試みている。マイケル・ムーアはあくまでも素材の一部であり、マイケル・ムーアの作品とは違って明確な意図と適度な客観性を備えている。

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