モンスター・ハウス
- Aloysius' Rating:  6/10
2006年  アメリカ 90分
監督:ギル・キーナン
出演:ライアン・ニューマン、スティーヴ・ブシェミ、ミッチェル・ムッソ、キャサリン・オハラ、マギー・ギレンホール、キャスリーン・ターナー


思春期に足をかけた少年DJの家の向かいには恐ろしげな老人ネバークラッカー氏の家があり、このネバークラッカー氏は自分の家の前庭に子供が入り込んだだけですさまじい勢いで飛び出してくる。ハロウィンの前日、ネバークラッカー氏は発作を起こして救急車で運ばれるが、無人となったはずの家は煙突から煙を吐き、家全体が生きているような動きを見せ、DJが見ている前で犬を呑み込み、さらに女の子を呑み込みにかかるので、DJとその友達チャウダーと呑み込まれかけた女の子ジェニーの三人はこの家をどうにかしなければ、と考え、警察に通報してもまるで相手にしてもらえないので、自分たちで行動を始める。
いまどきのCGアニメーションとしては微妙に奥行きに乏しく、また人物のディテールなどもひどく単純化されている。そのあたりの意図はわからないし、この内容をアニメーションでやらなければならない理由もよくわからないが、察するに後半、家がモンスター化して暴れ始めてからのコミカルな動作とバランスを取るためなのであろう。クライマックスではこの家が歩き回ってパワーショベルとの一騎打ちになり、最後はダイナマイトで爆破される。そこに至るまでの経過では、まず前兆がちらほらと現われ、主人公に喧嘩を売るうかつな登場人物が最初の犠牲者となり、警察官は相手にしないでその場から立ち去り、再び現われたときにはお約束どおりの最期を遂げる。子供たちを主人公にした冒険物といったような言い訳がましい表向きがあるものの(ちょっと色気づいた子供たちだが)、正体は正統派のB級モンスター映画になっていて、パワーショベルとからむ場面のモデルアニメーション的なテイストには泣けた。しかも冒頭、チャウダーがかぶっているハロウィンのマスクが、なんというのか、ラリー・ブキャナンだったのである。

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