ゲド戦記
- Aloysius' Rating: 5/10
2006年 日本 115分
監督：宮崎吾朗
出演：岡田准一、手嶌葵、菅原文太、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、倍賞美津子
ル＝グウィンの原作（未読）に宮崎駿の『シュナの旅』が添加されているらしい。どこかで見たようなキャラクター（それがなぜかときどき岩明均になる）、どこかで見たような構図が山ほども放り込まれ、にもかかわらず全体としてデザインは不明瞭で、風俗やテクノロジーは二千年ほどの幅のなかで勝手に同居し、しかもそのどれもがいくらか線を欠き、絵は平坦で、動画としての動きを欠き、眺めていてもいっこうに喜びがわいてこない。さらに話が猛烈に地味な上に説教臭くて、おそろしく景気の悪い精神道場のセッションに二時間ほどつきあわされたような気分になってくるが、そうしたすべての欠点にもかかわらず、格別言うほうどの破綻もなく、また作り自体のバランスも決して悪くない。水準は十分にクリアしていると思う。宮崎駿というフレームにむりやり押し込まれたことにむしろ問題があるのかもしれない。
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