我れ暁に死す
- Aloysius' Rating: 6/10
1939年 アメリカ 92分
監督:ウィリアム・キーリー
出演:ジェームズ・キャグニー、ジョージ・ラフト、ジェーン・ブライアン、ジョージ・バンクロフト
現職の検事で知事候補の収賄容疑を告発した新聞記者フランク・ロスは検事が仕掛けた罠にかかり、殺人の罪を着せられて投獄される。新聞社の仲間はフランク・ロスの無実を立証するために行動するが手がかりはなく、一方、フランク・ロスは刑務所でギャングのボス、ステイシーと知り合って信頼関係で結ばれていく。その刑務所では看守が暴虐を働き、囚人は怒りを抑えているが、そうこうするうちにステイシーが脱走に成功、フランク・ロスをはめた犯人の痕跡を追って出てきた刑務所に舞い戻り、そこで暴動が起こって武装した州兵が鎮圧のために突入する。
ジェームズ・キャグニー扮する新聞記者がぶち込まれるまでに5分、刑務所の作業場でジョージ・ラフト扮するステイシーとなんとなく友誼を結ぶまでにもう3分、という感じで猛烈にテンポが速い。内容は社会派のおもむきがあり、検察庁に巣食う巨悪が敵として登場するが、これは最初から無条件に巨悪で人格もなにもなく、刑務所でも暴虐をふるっている看守は事実上ひとりだけだったりするあたりでどことなく書き込みの不足を感じないでもないが、そこで類型化を恐れていたら序盤からのこのテンポは確保できないであろう。場面は状況を進め、関係を説明するためにのみ存在し、途中でも余計なことはほとんどやっていない(必要がないので懲罰房の場面はあっても監房の場面は存在しない)。ただジェームズ・キャグニーはブンヤ根性を発揮しているときよりも、途中、絶望から冗談抜きに怒り始めて最悪の囚人になってやると暴れ始めるあたりのほうで本領を発揮していたような気がする。ジョージ・ラフトはそれなりにかっこいい。
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