戦場
- Aloysius' Rating: 　6/10
1949年　 アメリカ　118分
監督：ウィリアム・Ａ・ウェルマン
出演：ヴァン・ジョンソン、ジョン・ホディアク、リカルド・モンタルバン、ジョージ・マーフィ、マーシャル・トンプソン、ドン・テイラー、ジェームズ・ホイットモア

1944年。パリでの休暇を控えていた第１０１空挺師団の兵士たちが突然トラックに乗せられ、延々と運ばれていった先がバストーニュで、そこから付近の森へ出撃すると悪天候のせいで空軍の支援はなく、優勢を誇るドイツ軍に包囲されて苦戦する、という状況をひたすらに兵士の視線に沿って淡々と描く。あっちへ行けと言われてあっちへ行って塹壕を掘り、掘り終わった頃に今度はこっちへ行けと言われてこっちへ行って塹壕を掘り、そうしているとアメリカ軍に偽装したドイツ兵の一団が堂々と目の前を通り過ぎていく。兵士の一人はバストーニュで盗んだ卵をヘルメットの底でスクランブルしようとひたすらに機会を狙っているし、新兵は勝手がわからなくてきょろきょろしているし、凍傷にかかった兵士は後送してもらえないことを嘆きながら最後まで足をひきずっている。補給を絶たれているのになぜか新聞だけは確実に届き、それでも兵士たちは自分たちがどこにいるのか理解していない。戦場はひたすらに無情で、どこかばかばかしくて、うんざりするような場所なのである。戦闘シーンはドイツ軍の小部隊との一度だけ、雪に埋もれたバストーニュの森はほとんどがセットで撮影されているが、たるみのない演出で緊張感が保たれる。 監督は 『民衆の敵』の ウィリアム・Ａ・ウェルマン。いわゆるスター級の俳優は出ていないが、ヴァン・ジョンソン、リカルド・モンタルバン、ドン・テイラー、ジェームズ・ホイットモア、リチャード・ジェッケルなどが顔を並べてそれぞれにいい味を出していた。
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