森のリトル・ギャング
- Aloysius' Rating: 7/10
2006年 アメリカ 84分
監督:ティム・ジョンソン、カレイ・カークパトリック
出演:ブルース・ウィリス、キャリー・シャンドリング、スティーヴ・カレル、ワンダ・サイクス、ウィリアム・シャトナー、ニック・ノルティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ
腹を空かせたアライグマのRJはクマのヴィンセントが貯め込んだ食べ物を盗んでヴィンセントに現場を押さえられ、一週間以内に盗んだ物を返さなければ食い殺されるということになる。一方、春を迎えて冬眠から目覚めたハコガメ、リス、ヤマアラシ、オポッサム、スカンクなどの小動物は森がいきなり垣根に断ち切られていることに驚愕し、垣根の向こう側に新興住宅地を発見する。そこへ現われたRJは卑劣にも間抜けな小動物たちの食欲を巧みに刺激し、住宅地を襲わせて人間の食べ物を盗ませる。そうすると動物が大嫌いな住宅委員のご婦人が怒り狂い、恐ろしい害獣駆除業者が動員され、それでも森の動物たちは、というか、事実上の害獣たちは人類のテクノロジーを悪用し、業者が仕掛けたレーザーセンサーの網を突破し、奇策を弄して電子ロックを解除し、カメラを使って人間を監視し、しっかりと冷蔵庫のなかの物をいただいていく。
舞台は森の一角と住宅地だけ、と空間的にはほとんど広がりがないし、犯罪映画にそっくりのストーリーもシンプルだが、仕上がりは非常にていねいである。ディテールは楽しいし、キャラクターはどれも魅力的で、とりわけ全編をとおして最大の悪役として登場するクマには感じ入った(しかもそれがニック・ノルティの声でしゃべる)。CGの質はきわめて高く、画面には奥行きがあり、毛皮などの表現はさらに進化している感じがする。特に今回は光線の加減がすばらしいのに驚かされた。森に春の陽射しがあふれているところや茂みのなかの暗がりに淡く木漏れ日が差し込んでいるところなどは涙物だし、そこで動物たちが動き回ると陰影もまた動くのである。映像は掛け値なしに美しい。同じドリームワークス系でも
『シュレック』
や
『マダガスカル』
に比べるとやや地味目だが、その地味な内容を全編CGでまとめてしまった点をむしろすごいと考えるべきであろう。
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