スターリングラード大攻防戦
- Aloysius' Rating: 4/10
1972年 ソ連 103分
監督:ガブリール・エキアザーロフ
出演:ゲオルギー・ジェノフ、アナトリー・クズネツォフ、ニコライ・エリョーメンコ、タマーラ・シデルニコワ
スターリングラードのドイツ軍を包囲するソ連軍に対してドイツ軍の増援が迫り、それを撃退するためにミシュクヴァ川にソ連軍の橋頭堡が築かれる。ということで戦闘はミシュクヴァ川周辺に限定され、スターリングラードは登場しないが、原題はもともと「燃える雪」といったような意味みたい。ドイツ軍の接近が知らされたあと、ソ連軍部隊が川に向かって雪原をぞろぞろ移動していくとまず渋滞が起こり、疲れて腹をすかせた兵士たちが路傍にかたまって動かなくなり、それでも川にようやく到着すると雪が降り積もった斜面で馬に惹かせた野砲を下ろすのに難渋し、到着したら今度は凍った地面に塹壕を掘り、糧食部隊は道に迷って遅れるうえに相手かまわず威張り散らす、というあたりは非常にリアルで面白い。翌朝、ドイツ軍の爆撃機が編隊を組んで現われて爆弾を投下し、続いて地平のかなたから川を目指して機甲師団が接近し、ソ連軍橋頭堡は蹂躙されて壊滅する。残存部隊がドイツ軍の後方に取り残されて夜を明かし、二日目、ソ連軍戦車部隊による反攻が始まり、ドイツ軍は撃退されるまで、もっぱら前線の兵士を中心に淡々とした調子で扱っているが、主要な舞台になる歩兵中隊の中隊長と小隊長と小隊副官が歩兵学校の同期でなんとなく感情がもつれあっていたり、お約束で美人看護婦がいてあまり役に立たなかったり、説教じみた台詞が多かったり、それやこれやでテンションが保てなくて、後半かなりたるんでくる。敵の後方に取り残された残存部隊の劇作上での扱い方には難しさがあるような気もするが、この映画の場合はやはり単に長すぎるのであろう。政治委員が兵士の味方に立って将軍をいさめるといった珍しい場面も登場するものの、この二人の議論も無用に長い。
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