ヒストリー・オブ・バイオレンス
- Aloysius' Rating:  7/10
2005年 ドイツ・アメリカ 96分
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、アシュトン・ホームズ ジャック・ストール、ハイディ・ヘイズ


寡黙な男トム・ストールはインディアナの小さな町でダイナーを営み、妻と十代の息子と幼い娘とともに小市民的な感覚に首まで浸かって町はずれの一軒家で暮らしている。そのトム・ストールの店にある日二人組の凶悪な強盗が現われ、ウエイトレスに手をかけようとするので、トム・ストールは一瞬の動作で強盗の一方からピストルを奪い、まずひとりを射殺、続いてもうひとりも射殺する。この事件によってトム・ストールは一躍英雄となり、その顔は新聞に載り、それから間もなく強面をした三人組の男が堅気とは思えない風情で町を訪れ、トム・ストールに向かって別の名前で呼びかける。トム・ストールはまったくの人違いであると主張するが、この三人組の正体は保安官の調査によって東部のマフィアであることがわかり、脅える一家の目の前に再び現われてトム・ストールの息子を人質に取る。そうするとトム・ストールはまたしても行動を起こし、そこには本人がどう言い訳しようと言い訳しきれないほど手慣れた様子がうかがえたので、トム・ストールの妻は疑いを抱く。
小市民ってたいへんだね、という話だと思う。なぜトム・ストールが出現することになったのか、その点についての掘り下げがもう少しあってもよかったのではないか、という気もしたが、クローネンバーグのともすれば冷笑的な語り口は心地よく、ヴィゴ・モーテンセンは非常に奥行きのある演技を披露している。マフィアのボスがウィリアム・ハートというのはちょっとうれしい驚きであったが、それにしてもフィラデルフィアのマフィアというのは強面はやたらとすごいのに、そんなに弱くて大丈夫なのか?

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