イーオン・フラックス
- Aloysius' Rating: 5/10
2005年 アメリカ 93分
監督:カリン・クサマ
出演:シャーリーズ・セロン、マートン・ソーカス、ジョニー・リー・ミラー、ソフィー・オコネドー、ピート・ポスルスウェイト
2011年、人類の99パーセントはウィルスで死亡、グッドチャイルド博士のウィルスによって500万人が生き延び、生き延びた500万人は地上に残った唯一の都市プレーニャで暮らし、以来、500年ほどが経過している。プレーニャではグッドチャイルドの子孫による圧政が敷かれ、これに対抗して抵抗組織モニカンが生まれ、モニカンの戦士イーオン・フラックスは政府の議長トレバー・グッドチャイルド暗殺の使命を帯びて政府内部に侵入するが、トレバー・グッドチャイルドに出会ったことで心が乱れ、暗殺に失敗、一方、政府内部ではトレバーの弟オーレンによる陰謀が進行し、そもそもモニカンによる暗殺計画自体がオーレンの差し金であったことが判明する。オーレンはトレバーを廃して議長の座につくことを狙っていたが、それというのもトレバーによる支配がオーレンの来世を奪うことになると考えたからであった。つまりプレーニャの住民がグッドチャイルド兄弟を含めてことごとくがクローンであり、これはウィルスによる副作用が原因であると考えられていたが、その状態を不自然であると考えたトレバーは自然分娩を復活するための研究を進め、自然分娩に成功すればもはやクローンは作られないことになり、当然ながらオーレンもまた再生されないことになるからであった。ということでオーレンはクーデターを起こして議長の座を奪い、トレバーはイーオン・フラックスと手を結ぶ、イーオン・フラックスはトレバー暗殺を拒むのでモニカンからの抹殺部隊が送り込まれ、話はごたごたとしながら三つどもえの様相を帯びてくるけれど、70年代のTV映画かなにかを見ているようで、格別面白いというわけではない。
MTV系の劇場映画としては破格の大作であろう。シャーリーズ・セロンが四つん這いになってトカゲのように進む姿はなかなかに見ごたえがあるし、イーオン・フラックスが使うギミックも古めかしいなりによくデザインされている。撮影は全体に美しいし、プロダクション・デザインもそれなりにがんばっていたような気がする。ただ、見ているうちになんとなく
『ローラーボール』
を思い出していた、ということは、最後に決意したりするあたりも含め、やはりきわめて70年代的なものではないだろうか。仮に復古調であるとすれば、別に復古調を嫌う理由はなにもないが、結局のところデザイン優先で中身のほうはあまりなかったという事実は否定できない。
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