ワンダフルデイズ
- Aloysius' Rating: 4/10
2003年 韓国 87分
監督:キム・ムンソン
出演:ユ・ジテ、ユ・ヘジン、チョン・ジュノ
22世紀半ばの未来、例によって文明は崩壊し、生き延びた人々は汚染された大気をエネルギーに変換する機能を備えた都市「エコバン」に住み、周辺に住む難民を奴隷のように使っている。ところが「エコバン」の資源となる汚染物質が減少してきたため、「エコバン」の支配階層は都市周辺を難民もろとも焼き尽くし、そうすることで資源を確保しようとたくらんでいたが、「エコバン」の外部には「エコバン」の機能を停止させようとたくらむ一味があり、そのたくらみを実践する青年スハは「エコバン」の女性警備隊員ジェイの幼なじみであり、そのジェイの上司である警備隊長サイモンはジェイにひそかに焦がれていて、当のジェイはスハと出会って感情を隠そうとしないので、サイモンもまた嫉妬を隠そうとしない。ということでしげく思いが交錯し、バイクは思いを込めて道を走り、鉢植えでは小さなな花が思いを込めて風になびき、そこへまた万感の思いを込めて歌が流れ、また流れ、また流れると、撃たれたり撃たれたり撃たれたりして主要登場人物は最後に全滅する。
韓国製の長編アニメーション。叙情的な要素に対する積極的な拒絶反応はわたしに固有の問題であって、必ずしも作品の瑕疵ではない。背景とメカニックはおもに3DのCGで作成され、人物は2Dで作成されている。キャラクター造形、一部のアクションなどにはこだわりが見えるが、いま2Dで手のなかにあったピストルが床に転がると3Dに変わっているという継承性の乏しさが見ているあいだ、ひどく気になった。察するにここでは画像はおもに記号として扱われており、そこから先の消化がない。全体を見渡しても寄せ集められた記号のかたまりはいやになるほど目に入るが、その有機的な結合は最後まで見ることがない。22世紀半ばの荒廃した地球という設定だけを眺めても、そこにテクニカルな積み重ねがなく、登場するテクノロジーの背景がまったく現われてこないのである。
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