ヒトラーの建築家 アルベルト・シュペーア
- Aloysius' Rating:  7/10
2005年 ドイツ 270分(TV)
監督:ハインリッヒ・ブレロアー
出演:セバスチャン・コッホ、トビアス・モレッティ、ダグマー・マンゼル、マルクス・ボイセン、ミカエル・グイスデック、アレックス・ミルバーグ


ヒトラーの建築家で大戦後半にドイツ軍需相を務めたアルベルト・シュペーアの後半生を再現ドラマ、記録映画、関係者などの証言を有機的に交えて描く。90分三話構成。ドラマはシュペーアがヒトラーに出会って国家社会主義に心酔するところから始まって、ナチに入党し、建築家としてニュルンベルク大会の背景を作り、誇大妄想的なベルリン再開発の指揮を取り、軍需相として有能を発揮し、ニュルンベルク裁判では一転してヒトラーを批判し、シュパンダウの獄中でおおむね淡々として日々を送るまでの光景を多面的に取り扱い、再現された部分は歴史からそれなりに距離を取りながらもときには踏み込み、それでも冷静な態度を保って敢えて結論に踏み込んでいない。歴史的な難しさがそうさせている面はうかがえるが、制作にあたっての熟慮された方針と真摯な姿勢はまず誉められるべきであろう。見ごたえがある。シュペーアの子供たちの証言、伝記作者の証言、ガルブレイスの証言なども貴重であり、おそらくはシュペーア自身の回想録からも多く取材され、長時間の答礼に応えるために自らからだを鍛えるヒトラーなどという珍しい場面が登場するあたりも貴重である。ちなみに第一話ではJu52が登場し、その機内やコクピットなどを見ることができるのも貴重と言えば貴重である。

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