フォーガットン
- Aloysius' Rating:  4/10
2004年 アメリカ 92分
監督:ジョセフ・ルーベン
出演:ジュリアン・ムーア、ドミニク・ウェスト、ゲイリー・シニーズ、アルフレ・ウッダード


ニューヨークに住む編集者テリー・パレッタは息子を失った記憶にさいなまれ、毎日のように息子の部屋で息子の整理箪笥の引き出しを開けて、思い出の品々を引っ張り出してはひたすらに悲しみにふけっている。ところがある日、夫とともに三人で撮った写真から息子が消え、息子の箪笥からはアルバムが消え、息子の姿を記録したはずのビデオからも画像が消え、夫と精神分析医の二人から、実は息子などは存在しない、すべては偽りの記憶であると告げられる。自分の直感を信じるテリー・パレッタは家から逃げ出し、息子と同じ事故で娘を亡くした男アッシュの家を訪れるが、アッシュには娘が存在したという記憶はなく、テリー・パレッタの行動に異常を見たアッシュは警察に通報、やってきた警官がテリー・パレッタを外へ連れ出すと、そこへ国家安全保障局のエージェントが出現する。
で、これがなんと、母と息子の絆の強さを調べようとたくらむエイリアンの実験だったのである。で、やっぱり強かったので勝手に自滅してくれるのである。余計な実験などやらずに無心にガンプラでも作っていたほうがよほどに建設的だったのではあるまいか。記憶がどうこうという最初の設定を思いついたものの、理由を考え出すことができなくてこうなったのか、それとも最初からこういう設定でこういう話に仕立てたのか、どちらにしてもアホウだと思うわけだけど、プロットはふくらみに乏しく、思いつきから先へまったく進まない。ただでさえ暗いジュリアン・ムーアの暗い表情に耐えているだけでは済まないのである。上空にひそんでいるエイリアンは地上の会話に耳を傾けていて、やばいと思うと人間をいきなりかっさらうという習性があり、人体がぴゅーっと空へ舞い上がっていく光景はすごいとなかなんとか言うより、ほとんど「モンティパイソン」なのであった。

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