笑の大学
- Aloysius' Rating: 5/10
2004年 日本 121分
監督:星護
出演:役所広司、稲垣吾郎
昭和15年の東京。警視庁の検閲官と劇団「笑の大学」の座付き作家が新作喜劇の台本のことでいろいろとやりあう。
いわゆる検閲官の機能が横滑りして、という着想は無条件で面白いが、検閲官自身が途中から機能を放棄しているように見えるのは、作り手の体力不足のせいであろう。背景は取調室だけ、二人芝居ということですべて済む話に余計な場面を盛り込んで時間稼ぎをしているのもおそらく同じ理由であろう。そして後半、時代色を背負った人情話にもつれ込むのは、題材に対して非情になることができなかった証拠である。三谷幸喜の舞台劇のほうもこうなのか? 役所広司はさすがだが、稲垣吾郎にはこの役は負担が大きかったのではあるまいか。喜劇を書く人間には見えなかった。検閲官から余計な人情味を排除して、ただ検閲事項に拘泥したやりとりに話を徹して、それでもなぜか喜劇が仕上がる、といったような内容で、そこで芸達者が二人で暴走する、ということであれば、これは傑作だったに違いない。
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