ティム・バートンのコープスブライド
- Aloysius' Rating: 8/10
2005年 イギリス 77分
監督:マイク・ジョンソン、ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、エミリー・ワトソン、トレイシー・ウルマン、アルバート・フィニー、リチャード・E・グラント、クリストファー・リー
成功した魚屋の息子ビクターは向上心を抱く両親の指図にしたがって零落した名家の娘ビクトリアと結婚することになっているが、結婚式のリハーサルで新郎の誓いの言葉を言うのにしくじってしまう。そこで森に入ってひとりで練習に取りかかり、見事に誓いの言葉を最後まで言って、ついでにたまたま地面から突き出ていた木の枝に結婚指輪をはめてみると、それは枝ではなくて人間の骨で、死んだ娘が花嫁衣装をまとった姿で地面を割って現われて、問答無用でビクターの妻となり、ビクターは死者の世界に引きずり込まれる。
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
などと同様、ティム・バートンによるストップ・モーション・アニメーションで、今回は自ら監督にあたっている。民話に材を取ったプロットはきわめてシンプルだが、それを描き出す映像はきわめて豊饒で、美術の美しさ、アニメーションのすばらしさは見る者を瞬時も飽きさせない。特に驚いたのは人形たちの表情の豊かさで、口の動きはフルアニメを思わせ、口の動きにあわせた頬の動きはとてつもなく肉感的で、見ているうちに無生物であることを忘れてしまう。加えて空間処理がまたすばらしく、空気は湿り気を帯びて奥行きをもたらし、光が動き、風が吹く。縦横無尽のカメラワークがまた印象的である。コープスブライドが地下から現われ、森の光を背負って木々のあいだに立つ場面ではほんとうにどきっとさせられた。骸骨犬のスクラップスがかわいらしい。
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