バンド・オブ・ブラザーズ
- Aloysius' Rating:  8/10
2001年 アメリカ・イギリス 600分 TV(全10話)
監督:フィル・アルデン・ロビンソン(1)、リチャード・ロンクレイン(2)、ミカエル・サロモン(3,10)、デヴィッド・ナッター(4)、トム・ハンクス(5)、デヴィッド・リーランド(6)、デヴィッド・フランケル(7,9)、トニー・トー(8)
出演:ダミアン・ルイス、ロン・リヴィングストン、ドニー・ウォールバーグ、フランク・ジョン・ヒューズ、スコット・グライムズ


Part1:Currahee,Part2:Day of Days
第1部はアメリカ本土での訓練が主体で、最後の瞬間にDデイがやってきて新品の空挺部隊を乗せたC47の編隊が英仏海峡を駆け抜けていく。第2部は降下とユタビーチの上陸支援で、散り散りになったE中隊がどうにか集結を果たしてドイツ軍の野砲陣地に攻撃を仕掛ける。この2話で事実上の主人公であるウィンターズ中尉が紹介されるという仕組みになっているようだ。手間と時間と金をかけた真面目な仕事ぶりに感心した。複合的で雑多なエピソードを短縮されたアテンション・スパンの中で巧みにつないでいく手法は「ER」で培われたものであろう。歴史的な状況を主軸に置いて、それ以上のストーリーを追加しないという姿勢も好感が持てる。C47の編隊飛行とそれに続く降下の場面は特殊効果に粗さを感じたが、もしかしたら技術的に難しいのかもしれない(見ているうちに 『メンフィス・ベル』 の特殊効果の奇妙なばらつきを思い出した)。とはいえ迫力は十分に備えていたし、空挺部隊が目標の手前で降下してしまう事情も説明されていて、実に興味深い場面になっている。 (2002/10/29)
Part3:Carentan,Part4:Replacements
第3部はDデイ直後の村落攻撃。相変わらず戦闘シーンはよくできている。第4部は早くもマーケット・ガーデン作戦である。オリジナルの状況をかなり簡略した脚本となっているが、それらしい場面をよく拾い上げている。ドイツ軍の車両は足りないところを順列組み合わせで工夫しているという感じがして、少々苦しい。 (2002/11/25)
Part5:Crossroads,Part6:Bastogne
第5部は回想形式によるマーケット・ガーデン作戦の続き。戦争シーンはほぼ原作のまま。過酷な戦闘場面とパリの休暇の場面との対比は見ていて辛くなる。第6部はもうアルデンヌ。真冬のベルギーで冬季装備なしでひたすらに頑張るという話である。兵隊さんたちが疲れてきていて、話も相当に陰気になっている。 (2002/11/26)
Part 7:The Breaking Point
第七部はまだ真冬のベルギー。ドイツ軍が砲兵陣地を構えた小村に対して戦線を敷き、まず前半はドイツの猛烈な砲撃。タコツボ直撃場面は見ているこちらもかなり堪えた。勇敢なコンプトン中尉が戦闘神経症になるのも当然であろう。後半は村の攻略。E中隊の無能指揮官は更迭され、スピアーズ中尉が指揮官となる。そして激しい戦闘のさなかでスピアーズ中尉は自分の伝説に新しいエピソードを追加する(味方と打ち合わせるためにドイツ軍の弾幕の前を横切り、打ち合わせが終わると舞い戻ってくる)。
Part 8:The Last Patrol
E中隊はドイツ国境へ接近する。第一小隊は夜間にライン川を越えて敵陣に侵入し、捕虜を獲得して帰還する。擲弾筒や手榴弾を使ったら破裂するまで待っていないと本当に危ないという話であった。戦果に気をよくした連隊長は次の番にも偵察を命じるが、ウィンターズ大尉は状況を巧みに消化する。
Part 9:Why We Fight
E中隊はドイツへ侵攻し、ドイツ軍捕虜がぞろぞろと南下するアウトバーンを進んでいく。そして宿営地を決めて周辺の偵察をおこなった結果、森の奥で強制収容所を発見する。
Part 10:Points
E中隊はベルヒテスガーデンを占領し、ヒトラー関係の各種レア・アイテムを収穫する。ヨーロッパでの戦争は終わり、やがて太平洋での戦争も終わり、部隊は戦時編成を解かれていく。

番組の最初や最後に顔を出す生き残りのじいさんたちも立派だったし、地味になるのを厭わずにリアルな状況を淡々と映像化していった製作者たちの態度も立派であった(ただ、車両は変だったけど)。
(2002/12/27)

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