コラテラル
- Aloysius' Rating: 　7/10
2004年　アメリカ　120分
監督：マイケル・マン
出演：トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット＝スミス、マーク・ラファロ

夜勤のタクシー運転手マックスの車に一人の男が乗り込んでくる。一見したところいいやつに思えるこの男はヴィンセントと名乗り、破格の申し出をして夜明けまでつきあうようにと頼むので、マックスもそれに応じることにする。ところがヴィンセントは殺し屋で一晩に五人の人間を殺す契約を請け負っていて、マックスもまた必然的に事件に巻き込まれていくことになる。
いかにもマイケル・マンらしいテンションの高い映像が心地よい。トム・クルーズも虚無的な仮面をかぶった殺し屋を演じて実にシャープだし、ジェイミー・フォックスの生真面目な運転手もよい味を出している。俳優の演技合戦は常にマイケル・マン作品の見どころである。ただ冒頭、ジェイミー・フォックスとジェイダ・ピンケット＝スミスの掛け合いがすばらしくよくできているせいで、こちらとしては後に続く事件よりも、タクシー運転手を主人公にした一晩の物語を期待したくなり、そうした期待を裏切られる形で眺めていると、話がまとめられすぎているというはなはだ勝手な感想に行き着くことになってしまう。とはいえ、 『ラスト・オブ・モヒカン』 後のマイケル・マン作品としてはベストなのではあるまいか。
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