9000マイルの約束
- Aloysius' Rating: 4/10
2001年 ドイツ 158分
監督:ハーディ・マーティンス
出演:ベルンハルト・ベターマン、ミヒァエル・メンドゥル
1945年。東部戦線でロシア軍の捕虜となったドイツ陸軍のクレメンス・フォレル中尉は戦犯として25年の刑を受け、ベーリング海峡に面したデジネフ岬の鉱山へ送られる。ドイツ軍捕虜の一団は過酷な環境で坑夫生活を強いられるが、フォレル中尉は自由を渇望して脱走を企て、まず一度目は失敗、捕虜仲間からの制裁を受けて負傷し、診療所に担ぎ込まれ、ここのドイツ人医師の協力で二度目を敢行、シベリアの雪原へ脱出する。途中、ロシア人の逃走犯、ヤクート族、トルクメンのユダヤ人などの協力を受け、3年がかりでソ連邦の領土から抜け、遂にドイツへ帰還を果たす。
実話だそうである。実話のとおりだとすれば、このフォレル中尉というのは頑丈だけが取り柄なのであろう。計画もなしに零下40度の雪原へ出るし、星空があるのに方角を間違えるし、かんじきを持っているのに使わないし、失神しても翌朝にはけろっとしているからである。その上、いたいけなアザラシをぶっ殺して足温権を行使する。所長と女医と捕虜の医者しか存在しない収容所当局の人物関係は安普請だし(こんな筈があるものか)、主人公はなぜだかいきなり空に向かって雄叫びを放つ(感動を表わしていたのかも)、ヤクート族の純情そうな娘がいきなり肌をさらす(白人男の妄想であろう)、主人公の情報を知っている関係者は口を割る前に都合よく死んでしまう、という具合で、おそらく必死で話を盛り上げようとした結果であろうが、ほとんどリアリティというものがない。脱走した捕虜が最近のアウトドア用ブーツを履いている、というあたりですでに正体が見えていたような気がする。衣装類は全体によろしくない。ドイツ軍捕虜の服がきれいすぎる。ロシア兵のコートは薄すぎる。フェルト靴はもっと分厚い筈である。
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