白いカラス
- Aloysius' Rating: 4/10
2003年 アメリカ 108分
監督:ロバート・ベントン
出演:アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズ
「講義中の人種差別発言でポストを追われた古典の教授」が「継父から性的虐待を受け、夫からも暴力を受け逃げ出してきた不幸な女性」と知りあい、お互いの傷を舐めたり広げたりする。そうしていると現在進行形でも告白でも回想でも、いやもう出てくるわ出てくるわ、不幸のオンパレードなのである。その背景にはモニカ・ルインスキー事件の経過が流れ、これはつまり「民主党の大統領がいるのに俺たちはハッピーじゃない」ということなのか。話が深南部の貧民であれば『タバコ・ロード』みたいにコメディになるところが、北部の大学町が舞台なので悲劇になるのである。アメリカ現代史を少しばかり振り返って不幸のネタを手当たり次第に詰め込むという仕方には無思慮さや鈍感さが感じられて、見ていていささか不愉快であった。アンソニー・ホプキンスがクビになった大学教授、ニコール・キッドマンが美貌の女清掃人34歳、エド・ハリスがニコール・キッドマンの夫でベトナム戦争の傷跡をかれこれ25年もひきずっている。ゲイリー・シニーズはアンソニー・ホプキンスの友人の作家で、離婚をしていて、前立腺ガンの治療を受けたあと、なぜか人里を逃れて山にこもっている。原作はフィリップ・ロス、脚本はニコラス・メイヤー。何を考えているんだか。ニコール・キッドマンはあいかわらず美しいが、煙草をまったく吸えない女優にくわえ煙草の演技をさせても不自然に見えるだけであろう。
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