トロイのヘレン
- Aloysius' Rating: 5/10
1956年 アメリカ 118分
監督:ロバート・ワイズ
出演:ロッサナ・ポデスタ、スタンリー・ベイカー、ジャック・セルナス、セドリック・ハードウィック、トリン・サッチャー、ブリジット・バルドー
トロイアの王プリアモスはギリシアとの平和の使節として王子パリスをスパルタへ送るが、王子を乗せた船は途中で難破し、パリスが生き永らえてスパルタの浜辺に流れ着く。パリスはそこで一人の美しい奴隷女に助けられ、二人はすぐさま恋に落ちるが、パリスは自分の使命を果たすためにスパルタ王メネラオスの宮廷を訪れる。そこにはミュケナイの王アガメムノン、イタケの王オデュッセイアなどが集まっていてトロイア攻略の相談をしている。王たちは宮廷に唐突に現われたパリスの身分を疑い、パリスはアイアスの挑戦を受けて拳闘の試合に応じるが、そこへパリスを救ったあの奴隷女が現われて驚愕もあらわにパリスと叫ぶので、その声を聞いたメネラオスは穏やかでない。女はメネラオスの妻ヘレネであり、嫉妬にかられたメネラオスはヘレネを詰問し、ヘレネはパリスの身を案じて逃亡のための手助けをする。ヘレネの助けによってパリスはメネラオスの城から逃れるが、ヘレネとパリスはメネラオスの手勢によって崖の上へ追い詰められ、二人は手を取りあって海へ飛び込み、そのまま船に乗ってトロイアを目指す。パリスとヘレネはトロイアに到着して知らせをもたらし、ヘクトルはパリスの責任を問いたがるがアイネイアスはパリスを兄弟と呼ぶ。プリアモス王は防戦の準備を命じ、トロイア勢が武器を作ったり訓練したりしていると、そこへギリシアの大軍が海を渡って押し寄せてくる。緒戦でギリシア勢は城壁を突破する(ローマ風の攻城兵器まで持ち出してくる)が、すぐに追い戻され、それから数年、アキレウスがヘクトルを殺し、パリスがアキレウスを殺し、やがて木馬が現われてトロイアが滅ぼされる。
ヘレネがトロイアに到着するまでの恋愛話が長くて退屈する。トロイアの都の大規模なセット、ギリシア勢の膨大なエキストラなどには感心したが、虚ろなる船を描いたマットアートの水準は低い(まるっきり絵なのである)。剣が型抜きしただけの鉄板で、盾も一枚だけの鉄板で、といういいかげんさはエキストラの兵士ならいいとしても、ヘクトル対アキレウスの決闘でもそうだ、ということになると気がついたときにちょっと悲しい。肩に種痘の跡をくっつけたロッサナ・ボデスタのヘレネは悪くないと思うものの、ほかのキャラクターがどれも印象希薄で英雄に見えない、というのは問題であろう。全体に大味で、創意が感じられない作品である。
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