テルマ＆ルイーズ
- Aloysius' Rating: 6/10
1991年　アメリカ　128分
監督：リドリー・スコット
出演：スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、ブラッド・ピット

テルマは友人のルイーズと週末を山小屋で過ごす約束をしていたが、そのことをまだ夫に伝えていない。結局、伝えないまま荷物をまとめて、迎えにやってきたルイーズの車に乗り込んでしまう。十八で結婚して男といえば夫しか知らないテルマには初めてのバカンスで、だからテルマは羽目をはずしたがり、途中で立ち寄った店で早くも男に踊りに誘われ、酔ったところを店の外へ連れ出される。男は知らぬ者のないクズ野郎で、だからテルマに襲いかかり、そこに現われたルイーズが男を射殺し、二人は車に飛び乗って逃走する。州警察が出動して二人を参考人として捜し始め、二人はメキシコを目指して逃走を始め、オクラホマ州で強盗をおこない、アリゾナ州で警官を襲い、無法の境地に達してニューメキシコの荒野へ分け入っていく。
逃げていくのが主婦とウエイトレスで、追っていくのは男ばかり、悪さをするのも男ばかり、男たちが女を物として扱おうと試み、あるいは父性で包囲しようと試みると、女たちは現実を眺めてピストルを握り、パトカーの大追撃を振り切ってどこまでどこまでも逃げていくという分かりやすい構図にはなっているものの、そこから先の掘り下げは具体的にはおこなわれていない。スーザン・サランドンもジーナ・デイヴィスも魅力的だがどこか上滑りをしているし、二人に同情的なハーベイ・カイテルの刑事もキャラクターがほとんど構築されていないのである。虐げられた女、男性優位論者の豚野郎、ロード・ムービーといったくらいのかなりシンプルな三題噺で作られていないか。たいそう構図的で手の込んだ撮影は一見に値する。
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