マッチスティック・メン
- Aloysius' Rating: 5/10
2003年　アメリカ　116分
監督：リドリー・スコット
出演：ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマン

ロイ・ウォーラーは異常な潔癖症と広場恐怖症に悩んでいたが、小口で件数をこなす詐欺師でもあった。ところが安定剤をうっかりディスポーザーに入れてしまったことから新たな精神科医が必要になり、その精神科医が口にした言葉で自分の過去が気になって、別れた妻と接触することになる。そして接触の結果から14歳の娘アンジェラが現われ、独り身で食事といえば一度に一つのツナ缶しか食べないロイ・ウォーラーは娘の行動に困惑しながらも父親としての自覚を感じていく、というような話である。
主人公は詐欺師ではあるが、コン・ゲームの部分は重視されていない。心を病んだ孤独な詐欺師が心を開いて、最後に愛を獲得する物語なのである。だから鈍重そうなニコラス・ケイジがまるで詐欺師に見えなくても重要な問題ではないし、脚本にもそれほど頭の良さは感じられなくても別にかまわないのだろうし、わざわざ作るほどの内容だと思えなくても気にする必要はないのだろう。とはいえ、取り敢えずは丁寧に作られているし、洒落っ気を入れようと努力した痕跡もよく見ていれば見えなくもない。いちばん感心したのはリドリー・スコットの女性の趣味であろう。これはまことに一貫している。
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