ローマン・エンパイア
- Aloysius' Rating: 6/10
2003年 ドイツ・イタリア・スペイン 117分(TV)
監督:ロジャー・ヤング
出演:ピーター・オトゥール、シャーロット・ランプリング、マッシモ・ギーニ、アンナ・ヴァレ


晩年に達したアウグストゥスがアグリッパの訃報に接して悲しみ、ユリアを相手に過去を語り、リヴィアを相手に回想に耽る。カエサルの内戦、カエサルの暗殺、アントニウスとクレオパトラなどのエピソードが手際よく説明され、そしてティベリウスはユリアとの結婚を強いられて不幸になり、ユリアは追放され、アウグストゥスは死の床につく。
歴史的な状況はかなり単純化されているものの(まず、若いアウグストゥスと若いリヴィアが道の角でぶつかって恋に落ちたというのは嘘であろう)、共和制ローマの雰囲気などはよく出ているような気がするし、きちんとしたダイアログを折り込んで真面目にドラマを作り上げようとした意気込みが感じられる。ピーター・オトゥールのアウグストゥスは悪くないし、シャーロット・ランプリングのリヴィアというのはかなりよろしい。撮影はほとんどがロケでおこなわれたような気配があるが、それらしい建築物を捜してきているし、衣装、美術なども見ごたえがある。これは拾い物であった。ちなみにオリジナルは3時間以上あるらしい。姉妹編に「ネロ」があるようだけど(*1)、この水準ならばティベリウスやカリギュラも見てみたいぞ。

*1: 『NERO』, 2005/10/29

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