ドクトル・ジバゴ
- Aloysius' Rating: 7/10
1965年 アメリカ 201分
監督:デビッド・リーン
脚本:ロバート・ボルト
出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティー、ロッド・スタイガー、トム・コートニー


19世紀の終わり頃、母親を失ったユーリはグロムイコ一家に引き取られてウラル某所からモスクワへ移り住む。成長したユーリは詩人としての評価を受けながら、医師としての訓練を終えようとしていた。
時代はすでに20世紀に移り、学生パーシャ・アンティポフは革命運動に身を投げて革命以外の一切合切を軽んじると、その恋人ラーラは洋裁店を営む母親の相談役コマロフスキーから女としての手ほどきを受ける。コマロフスキーの説明では、パーシャは純粋で、一方、ラーラはそうではなかったのである。コマロフスキーとラーラの二人を乗せたソリが雪の町を駆け抜けると、代わってパーシャが率いるデモ隊が現われて騎兵の一団と遭遇する。流血の惨事が起こり、それを二階の窓からユーリが認めて負傷者を助けるために駆け下りる。娘とコマロフスキーの関係を疑ったラーラの母は毒を飲み、ユーリはその現場に医師として現われてラーラと出会い、入院した母親がいない間にコマロフスキーはラーラを寝台に押し倒すので、クリスマスの晩にユーリたちが見ている前で、ラーラはコマロフスキーを拳銃で撃つ。
やがてユーリはグロムイコ家のトーニャと結婚して息子をもうけ、そのうちに第一次世界大戦が勃発し、二年目を迎えた地獄の東部戦線ではロシア兵が大挙して戦線を離脱、革命が始まり、逃げる兵士たちを押し戻そうとした将校団は馬から引きずり下ろされて虐殺される。医師として前線におもむく途中であったユーリは虐殺の現場でラーラと出会い、二人が野戦病院で働いているあいだに革命の炎はモスクワに広がり、激務を果たしてようやく帰宅したユーリを迎えたのは、なんと共同住宅と化した我が家であった。地区住宅委員はユーリとその一家に冷たくあたり、そこへ現われたユーリの腹違いの弟が、これは筋金入りのチェキストであったが、肉親としての情愛を示してモスクワからの脱出を勧め、そこで一家はウラル山脈を目指して出発する。
貨車に乗り込んで旅が始まり(車内でクラウス・キンスキーが強制労働をしている)、焼き打ちをされた村を眺め、白衛軍への反攻を指揮するストレイニコフの装甲列車に追い越され、やがてグロムイコ家が所有するベリキノの屋敷に到着すると、そこは森のパルチザンの手で人民の名において封印されているので、一家は門番小屋で生活を始める。一家はじゃがいもを育て、ユーリは隣の町ユリアティンの図書館を訪れ、そこでラーラと再会を果たす。ラーラは知らなかったが、冷酷をもって鳴る赤軍指揮官ストレイニコフこそ、ラーラが東部戦線で戦死したと思い込んでいる夫パーシャなのであった。そうこうするうちに皇帝一家が銃殺され、ストレイニコフは権力闘争に破れてモンゴルに逃れ、ユーリはいきなりパルチザンに徴用されて白衛軍との戦いに巻き込まれる。そしてその白衛軍はもちろん士官学校の生徒たちを徴用していて、赤軍の機銃に向かって無謀な突撃をするのであった。
パルチザンの指揮官は内戦の終わりと政治闘争の開始を予言し、戦いに疲れたユーリは部隊から逃れて吹雪のなかをベリキノを目指す。疲れた果てたユーリをラーラが出迎え、ユーリとラーラの前には軽蔑すべきコマロフスキーが現われ、ユーリとラーラは凍りついたベリキノの屋敷へと逃れて愛を誓うが、なにしろロシア人がしていることなので悲劇はまだ終わらない。超大作なのである。


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