ニコライとアレクサンドラ
- Aloysius' Rating: 4/10
Nicholas and Alexandra (UK 1971,183min.) [D] Franklin J. Schaffner, [W] James Goldman, [C] Michael Jayston,Janet Suzman,Roderic Noble ,Ania Marson,Lynne Frederick,Candace Glendenning,Fiona Fullerton,Harry Andrews,Irene Worth ,Tom Baker,Jack Hawkins,Timothy West

ニコライ二世の私生活を描いた長いだけの面白くもない超大作。血の日曜日、ストルイピン暗殺、ラスプーチン、第一次世界大戦、皇帝親征、二月革命、十月革命、皇帝一家の処刑と一通りやってみせてはいるものの、主人公一家の凡庸さがそのまま仕上がりに反映されてしまったのか、退屈な映画になっている。スケールの方もこじんまりとしていて、そのまま小劇場で上演してもおかしくないくらいである。人物造形もひどく単純化されていて、まずニコライ二世が暗愚な暴君で、ストルイピンほかの閣僚はそうではなかったことになっている。アレクサンドラは単なるわがまま女として描かれていて、皇子にも皇女たちにもまったく性格が与えられていない。ケレンスキーは単なる嫌味な奴として登場する。レーニン、トロツキー、スターリンなども顔を出してはいるものの、ただ顔を出すだけで終わっている。ラスプーチン暗殺の場面は史実どおりに進めた方がよほど面白い場面になった筈だ。品格では 「ロマノフ王朝の最期」 にまるで負けているし、アメリカ製のテレビ映画 「ラスプーチン」 の方がパワーがあった。