TAMALA 2010/a punk cat in space
- Aloysius' Rating: 4/10
TAMALA 2010/a punk cat in space (キネティック 2002,92min.) [D&W] t.o.L [C] 武田真治,加藤武,ベアトリス・ダル,佐藤54-71

2D+3D, モノクロ・パートカラーのアーティフィシャルなアニメである。2010年、ネコ地球の目黒で暮らしていたメス猫タマラ1歳はオリオン座を目指して一人ロケットに乗り込むが、途中、隕石に衝突してQ星にたどり着き、そこでオス猫をひっかけるとタトゥーをしたりスケボーをしたり、にゃらにゃらしたペルシア猫にキックを食らわせたりする。1960年代のポップカルチャーから出発してきたようなデザインのキャラクターが、ポップカルチャーらしくもなくモノクロで定着されており、その一方、悪夢の中では3DCGで作られたモダンで美麗なキャラクターがひたすらにエスカレーターを上っていく。そして3Dの世界から降臨した破壊と再生の象徴は2Dの世界にその象徴する内容をもたらすのである。いちおう設定では一切の背後には古代ミネルヴァ教団の復讐への渇望が潜んでいるようなのだけど、設定の過剰が説明の過剰を招くという最悪のパターンに踏み込んでいて、後半、いささか見苦しい状況になっている。余計な説明は排除して、タマラというキャラクターに集中すべきであった。90分のアニメならば徹底して題材を膨らませるべきなのに、題材を決める前に材料ばかりを集めてどれか題材なのかわからなくなってしまっているように見えたのである。あと、それでもこれがパンクだということになると、わたしはパンクが全然わからないということになるのかもしれない。