ゴースト・オブ・マーズ
- Aloysius' Rating: 4/10
Ghosts of Mars (USA 2001,98min.)
[D] John Carpenter,
[W] John Carpenter,
[C] Natasha Henstridge,Ice Cube,Jason Statham,Clea DuVall,Pam Grier,Joanna Cassidy
22世紀。火星は人類の植民地となっていてテラフォーミングが進められており、まだ赤いけれど簡単な装備だけで呼吸ができる。パム・グリアー率いる警官隊が鉱山町へ囚人を引き取りにいくと、そこの住人は火星の精神寄生体に心を支配されていて、顔にペイントをしたりピアスをしたり、からだに傷をつけたり剣を振るったり、あるいは人を逆さに吊るしたりといろいろ野蛮なことになっている。で、どうやらこの精神寄生体は火星を侵略した人類を憎んでいて、精神を乗っ取って皆殺しにしようとたくらんでいるらしい。パム・グリアーの隊長はあっという間に殺されてしまうので、そこから先はナターシャ・ヘンストリッジが戦いの指揮をとることになり、どうして女性ばかりが仕切るのかというと、つまり火星は母権制社会だからという説明で、別に必要ないんじゃないかという気もしないでもない。冒頭の火星機関車の疾走場面ですでに気づかされるのだけど、演出もビジュアルも、とにかく全編にわたって安っぽい。いちおうは名のある監督が21世紀に入ってから作った映画とはとても思えないのである。おそろしいのは、これがほかの監督だったらただのクズ映画になってしまうのに、カーペンターがやっていると思うだけで微笑ましく見えてくるところであろう。稚気がある、と言って誉めてもらえるひとは珍しいのではないだろうか。とはいえ、こういうのを見て喜んではいけないと思うのである。