エンド・オブ・オール・ウォーズ
- Aloysius' Rating: 4/10
To End All Wars (USA/UK/Thailand 2001,117min.)
[D] David L. Cunningham,
[W] Brian Godawa (book:Ernest Gordon ),
[C] Robert Carlyle, Kiefer Sutherland ,Ciaran McMenamin,Mark Strong,木村栄,油井昌由樹,佐生有語
アーネスト・ゴードンの「クワイ河収容所」のいたって真面目な映画化。したがって主眼は収容所の悲惨と人間性の剥奪、教養による魂の再生というあたりに置かれている。低予算ながら普遍的な祈りを込めた真摯な姿勢は評価すべきだが、あいにくとその低予算のせいで描かれるべきことが省略されて話がきれい事で終わってしまっているような気配がある。日本軍も総勢で10人くらいだし、捕虜もおそらく100人足らず、過酷な環境で健康を害して、という設定にはなっているけれど、皆さん太ったままなのである(特にキーファー・サザーランド)。そこへ持ってきてきわめて重要な役をロバート・カーライルにふってしまったため、悲劇的な状況が事前の状況によって呼び込まれたのか、それともロバート・カーライルだからそうなったのか(いや、もちろん前者だと思うけど)、どうかすると誤解されかねない。意図は立派だけど、どこかが滑ってしまったせいで、不快である筈の肝心の臭気がまったく感じられないのである。