サウンド・オブ・サイレンス
- Aloysius' Rating: 5/10
Don't Say a Word (USA 2001,113min.) [D] Gary Fleder, [W] Anthony Peckham,(novel:Andrew Klavan), [C] Michael Douglas ,Sean Bean ,Famke Janssen ,Oliver Platt,Brittany Murphy,Skye McCole Bartusiak,Jennifer Esposito

まず冒頭、ニューヨークで強盗の一味が銀行を襲い、貸し金庫の中から大粒の宝石を盗み出す。ところが逃走の途中で一味の一人が裏切って宝石を持ち逃げし、裏切りに気づいた一味の頭目ショーン・ビーンは歯軋りをする。それから10年後の感謝祭前日、精神科の開業医ネイサン・コンラッドは古巣の精神病院に呼ばれて十代の少女を診察し、遅くなってから帰宅する。家には妻と8歳の娘、妻はスキーで脚の骨を折っていて、娘は妻のギプスに落書きをしている。そして感謝祭の当日、8歳の娘はショーン・ビーン一味にかどわかされ、コンラッド医師はその日の午後五時までに精神病院で診た少女から6桁の数字を聞き出さなければならなくなる。医師は娘を救うために病院へと車を走らせ、同じ頃、殺人課の刑事はハドソン川から引き上げられた水死体の身元を探り始める。造りが全体に雑。ショーン・ビーン一味は妙に金のかかった機材を備えているが、その割にはやっていることが頭が悪い。いきなり話を持ち込んで半日で結果を出せというのは無理であろう。そう思っているところでマイケル・ダグラス扮する医師が半日で結果を出してしまうと、なんだか展開な不自然なように思えてくる。いや、つまりご都合主義とはそのようなものであろうが、後半、ショーン・ビーンは自分で仕組んだルールを放棄してしまうし、対抗してルールを持ち上げてくるマイケル・ダグラスも何を企んでいるんだかよくわからない。というわけでいくらでも知的になり得る筈の状況設定が、時間とともになし崩しに放り出されていくのである。マイケル・ダグラスもショーン・ビーンも、それにオリバー・プラットも無駄遣いされているような気がしてならなかった。ただ戦う奥さんファムケ・ヤンセンはよかったと思うので、いっそこちらの方に話の主軸を置いてもよかったかもしれない。