ヴァンパイア 最後の聖戦
- Aloysius' Rating: 5/10
Vampires (USA 1998, 108min.)
[D] John Carpenter
[W] Don Jakoby
[C] James Woods,Daniel Baldwin,Sheryl Lee,Thomas Ian Griffith ,Maximilian Schell,Tim Guinee,Mark Boone Junior,Gregory Sierra ,Cary-Hiroyuki Tagawa
原作はジョン・スティークレーの「ヴァンパイア・バスターズ」(集英社文庫)。とはいえ、この原作はわたしには少々辛かったのである。どうもこの手のバイオレンス系ホラー"小説"とはなぜか相性が悪いみたい。そしてジョン・カーペンターとも実はあまり相性がよろしくない。どちらにしても本質的なへたくそさのようなものがあって、それをファン精神で好きになるか、それともただ足蹴にするか、という選択肢にぶつかっているのではないかと考えている。中途半端なわたしはファン精神に片足をかけながら、残った足で蹴っているのだ。さてジャック・クロウとその仲間はアメリカのとんでもない田舎で吸血鬼を9匹ばかり片付けて、その晩は警察公認で売春婦と酒を集めて乱痴気騒ぎを繰り広げる。だがジャック・クロウには気がかりなことがひとつある。見つけた吸血鬼はちんぴらばかり、肝心のマスターがいなかった。と、そこへマスターが乱入してきて酔っ払ったヴァンパイア・ハンターや売春婦をちぎっては投げちぎっては投げ、辛くも脱出を果たしたジャック・クロウはマスターをおびき寄せて退治しようと企むが、そこへさらにトラブルが、という話をハードボイルドにやっているわけである。で、そのジャック・クロウ役がジェームズ・ウッズであるということで自動的に点が甘くなるのだが、もしかしたらジェームズ・ウッズはミスキャストだったかもしれない(重量感がないのでハードボイルドが粋がっているだけの軽薄に見えてしまう)。ダニエル・ボールドウィンのまあるい頬っぺたもかなり気になる。やくざ者同然のヴァンパイア・ハンターという魅力的な設定が話にあまり生かされていない。嫌いな映画ではないけれど、いまひとつデザインに乗り切れないところが残るのである。