愛しのローズマリー
- Aloysius' Rating: 5/10
2001年 アメリカ 114分
監督:ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
出演:グィネス・パルトロー、ジャック・ブラック、ジェイソン・アレクサンダー、ジョー・ヴィテレリ、ブルース・マックギル、アンソニー・ロビンソン
テキサスかどこかの投資銀行に勤めているハルという名の青年がいる。小柄で、あまり風采があがらない。それでも自分の伴侶となる女性は若くて美人でなければならないと信じ込んでいる。察するに九つの時に死んだ父親の遺言が頭に刷り込まれたせいなのであろうが、残念ながら戦果の方は芳しくない。そこへ出現した本職のカウンセラーが、この男は人間の外見しか見ていないと見抜くのである。そこで心の美しさを見るようにと余計な暗示をかけるので、青年ハルの目には太ったグウィネス・パルトローが痩せたグウィネス・パルトローに見えるということになる。思いつきは悪くはないけれど、目的はラブコメではなくて政治的に正しい何かを作ることにあったようで、その何かがどうもはっきりしない上に作り手の意識が必ずしも政治的に正しくない、というよりも、どちらかと言えば偏見の方が強そうなので、どうにも妙なことになってしまっている。偏見と政治的なコードが激しく絡み合った醜いかたまりを見せられているような気分になるのである。ハッピー・エンドでよかったけれど、それでも楽しい映画ではない。あと、
『メリーに首ったけ』
でもそうだったけど、この男どものけったいな性格付けはなんなのだろうか。思春期のトラウマがそのまま固定されて大人になって、いっそう歪んでしまったような人間ばかりなのである。残念ながらファレリー兄弟の映画とは相性が悪いみたい。
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