ブロウ
- Aloysius' Rating: 5/10
Blow (USA 2001,124min.)
[D] Ted Demme,
[W] David McKenna,
[C] Johnny Depp,Penelope Cruz,Franka Potente,Rachel Griffiths ,Paul Reubens,Jordi Molla ,Cliff Curtis,Miguel Sandoval,Ethan Suplee,Ray Liotta
ボストンで暖房装置の販売と据付を生業にしている男がいる。ただし、商売はうまくいっていない。女房は金のことでうるさいし、家の中は明るいとは言いがたい。結局商売に失敗して家は一気に暗くなり、その暗さを嫌った息子は友達と一緒にカリフォルニアへ脱出する。カリフォルニアはいい土地だった。なにしろ明るいし、海岸にはビキニ姿のスチュアーデスがごろごろと転がっていたからである。スチュアーデスのつてを使ってマリファナの売人になり、成功して恋人もできて、その恋人を両親に紹介して幸せいっぱいというところで恋人を失い、ぶちこまれて仕事も失ってしまう。だが刑務所でメディシン・カルテルとのつてを見つけて、出所するとコロンビア産のコカインに輸入にとりかかることになる。そして間もなくアメリカのコカイン市場を生み出すことになるのである。実在し、コカインの所持だか密売だかで現に服役中(懲役60年)のジョージ・ユングという人物の20代から40代にいたるほぼ四半世紀をジョニー・デップが演じている。たいそうまじめに演じているのは好感がもてるが、これだとジョージ・ユングはフラワーピープルをかすめて通って70年代に出現した鮮烈なトリックスターといったようなことになってしまうのだが、そういう解釈で問題はないのだろうか。メディシン・カルテルとタイマンを張るタイプには見えなかったのである(あまりにも小市民的で間抜けに見えた。よい時代だった、ということか)。脚本は主要なエピソードを通り一遍に並べているだけ、まじめにやれば家庭の問題も含めてかなり複雑な話ができた筈だが、映画はパーティの場面に主要な関心を向けている。出来が悪い。