マリー・アントワネットの首飾り
- Aloysius' Rating: 4/10
The Affair of the Necklace (USA 2001,117min.) [D] Charles Shyer, [W] John Sweet, [C] Hilary Swank,Jonathan Pryce ,Simon Baker,Adrien Brody,Brian Cox ,Joely Richardson ,Christopher Walken

いわゆる首飾り事件の映画化。ヴァロアの末裔を名乗る自称伯爵夫人のジャンヌ・ド・ラ・モットがロアン枢機卿の前に現われ、王妃との和解を取り持つようなふりをしながら150万ルイの首飾りの代金支払い保証人の役割を押し付けてくる。ジャンヌをヒラリー・スワンク、ロアン枢機卿をジョナサン・プライス、カリオストロをクリストファー・ウォーケンという配役で、ジョナサン・プライスの枢機卿ぶりは見ごたえがある。やはりこのひとは名優なのである(ただ出演作に恵まれないだけだ)。ヒラリー・スワンクはあまりフランス女に見えなかった。クリストファー・ウォーケンは例によってただ出ていただけ。脚本はあったような話を順番に追っているだけで、面白みに乏しい。映画というよりは、NHKスペシャルを見ているようであった。実際にヴェルサイユでおこなったという撮影はそれなりの水準に達しているが、パリ市内の場面は出来が悪い(ロンドンに見える)。事実に基づく、と映画はうたっているけれど、ジャンヌ・ド・ラ・モットの本来の目的はヴァロア家再興にあったという説明はどうだろうか? 仮にヴァロアの系統であったとしても、かなり分家の方だった筈だからである。