トゥームレイダー
- Aloysius' Rating: 5/10
2001年 アメリカ映画 100分
監督: サイモン・ウエスト
出演: アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・ボイト


同名のアクション・ゲームの映画化である。ゲームの方は2001年現在で5作目まで出ていて、わたしはこれを全部やっている。頭のおかしい英国女が腰から二挺拳銃ぶら下げて、秘宝を求めて墓荒しに励むという基本的な設定は継承されており、ゲームでおこなわれているアクション、つまりバックジャンプしながら銃を撃つとか、シャンデリアの上へ飛び上がるとか、そうした要素もかなりうまく盛り込まれている。アンジェリーナ・ジョリーもゲームのララ・クロフトそのまんまという感じだし、ララ・クロフトの屋敷に至ってはゲームの中から切り取ってきたような風情すらある。男どもが弱いのも、ララ・クロフトの男の趣味があまりよくないのも、おおむねゲームのままであろう。このあたりはオリジナルへの配慮が感じられる。ただ、ジョン・ボイトの父親というのはいただけない。そもそもゲームの設定では、ララ・クロフトは勘当されていたのでは? それがほとんど同業者のような形で現われて、しかも娘の方はファザコンという有様では、30歳を目前にして考えなしに猛進するララ・クロフトというイメージが著しく損なわれてしまうことになる。実際、映画の中でもこの部分がひどく浮いていた。悪役がいきなりイルミナティというのもよろしくない(イルミナティには見えないけれど)し、ララ・クロフトが世界を救うというところまで飛躍してしまうのもらしくない。そもそも、この女は自分の欲に目がくらんでいる筈なのである。
個々のアクション、冒頭近くの屋敷の中での大乱闘や、カンボジアの遺跡での大乱闘はとにかく頑張っているものの、話の作りのまずさとアクションの配分のまずさが相まって、全体を通してのバランスが悪い。そしてなお悪いことに悪役の悪役ぶりが中途半端で、そこへ父親への思いが絡んだりするものだから、見ているこちらのテンションはどうしても低くなってしまう。実を言うとものすごく期待していたのだけれど、映画としての出来は今二つ。

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