ジャバーウォッキー
- Aloysius' Rating: 7/10
1997年 イギリス 100分
監督:テリー・ギリアム
出演:マイケル・ペリン、ハリー・H・コーベット、マックス・ウォール、バーナード・ブレスロウ、デボラ・ファレンダー、テリー・ギリアム、テリー・ジョーンズ


ルイス・キャロルの「ジャバーウォックの歌」を骨格にしてテリー・ギリアムが作り上げた中世暗黒メルヘンである。ただただ埃にまみれている城、絵に描いたような王様、塔の中の姫君、手加減なしの馬上槍試合、狂信者の群れ、暗躍する商人、教会の二心、産業システム変革の予兆などといった要素が選んだような中世的色彩で一つの城塞都市にぶち込まれていて、決して出来のいい映画ではないけれど、そのパワーと悪意と悪趣味に満ちた描写にはとにかく感心する。クライマックスに登場する怪物ジャバーウォック(実物大!)は見応えがあるし、血まみれの馬上槍試合もかなりばかばかしい迫力がある。真剣勝負でやったりするから騎士の数がどんどん減って、仕方がないから試合は途中から「かくれんぼ」に変わるのである。甲冑の騎士たちが林立するテントの間で隠れ場を求めてうろうろするという場面だけでもこの映画には見る価値がある。好きな場面は山ほどもあって、まったくの話、その一つひとつを数え上げるのは難しい。

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