ヴァーティカル・リミット
- Aloysius' Rating: 7/10
Vertical Limit (USA 2000, 124min.) Directed by Martin Campbell Written by Robert King Cast:Chris O'Donnell,Bill Paxton,Robin Tunney,Scott Glenn, Izabella Scorupco,Temuera Morrison

大富豪のビル・パクストンが新たに航空会社を設立し、その一番機に山の上から手を振るのだなどと余計なことを考えたことから遭難する。山はK2で、遭難した場所はどうやら7000メートルくらいの高さがあり、ヘリコプターは近づけない。生存者3名は雪崩で埋まった雪の下のクレバスに閉じ込められている。しかもヴァーティカル・リミットなるものを越えていると人間は水分の補給を続けない限り、肺気腫にかかって死んでしまうらしい。無酸素登山をするからであろうと見ているこちらは思ったが、その点は誰も反省した様子がない(マスクをかぶると役者の顔が見えなくなるからであろうと邪推する)。ベースキャンプにいたクリス・オドネルはビル・パクストンとともに遭難した妹を救うべく救助隊の派遣を主張し、その結果6人が集まり、これが2名3チームにわかれてそれぞれ一つずつ、パキスタン陸軍からもらってきたニトログリセリンを遭難現場へ運ぶことになる。危険な爆薬を運ぶのは雪原を爆破してクレバスに到達するためであったが、ここまで見て、ああこれは 「恐怖の報酬」 の山岳救助版であったかと気がつくことになる。山の場面は総じて迫力があり、それだけでも退屈しない。K2から手を振って意味のあるような一番機というのはいったいどういう路線なのか(バグダッド=ラホール線かな?)とか、ニトログリセリンが爆発しているだけなのに炎が吹き出すのはなぜなのかとか、気になるところが少々あったものの、気に入った。スコット・グレンがK2で女房を失ったガイドに扮して登場するが、これがまたK2で女房を失ったガイドそのまんまに見えるところがおそろしい。