スミス都へ行く
- Aloysius' Rating: 8/10
Mr. Smith Goes to Washington (USA 1939, 129min.)    Directed by Frank Capra Written by Lewis R. Foster,Sidney Buchman Cast: James Stewart,Jean Arthur,Claude Rains,Edward Arnold,Guy Kibbee,Thomas Mitchell,Eugene Pallette,Beulah Bondi,H.B. Warner,Harry Carey

正直者で聞こえる少年団の団長ジェームズ・スチュアートが上院議員に指名され、元気にワシントンへ乗りこんでいく。だが指名をおこなった州知事を含め、地元政界は特定企業の利益のために奉仕する仕組みになっていて、この新人議員も不正に満ちたダム建設法案に反対しないように要求される。理想主義を掲げる議員は信念に基づいて要求を拒み、それに対して地元政財界は議員を潰そうと汚職の証拠をでっち上げる。ジェームズ・スチュアートの議員は対抗を決意し、上院におけるマラソン演説ということになるのだが、いやあ、とにかくテンポがいいし、ダイアログが抜群にいい。なんといっても余計な場面がまったくないのが実にいい。やっぱりキャプラはうまいのである。ただ、マラソン演説の目的が主として時間稼ぎにある関係から、演説自体にほとんど内容がないのが惜しまれる。それにあの結末はいささか唐突との印象も否めないが、30年代だと、やっぱり最後にクロード・レイインズの議員がすべてを告白、ということにならざるを得ないのであろう。信念に基づく政治闘争という側面からのみ考えれば、そのあたりの描写は 「わが命つきるとも」 の方が面白いかもしれない。