若者のすべて
- Aloysius' Rating: 6/10
Rocco e i suoi fratelli (France/Italy 1960 182min.) Directed by Luchino Visconti Written by Luchino Visconti (novel:Giovanni Testori) Cast: Spiros Focas, Renato Salvatori, Alain Delon, Max Cartier, Rocco Vidolazzi, Annie Girardot, Katina Paxinou, Claudia Cardinale,Alessandra Panaro

ヴィンチェンツォ:パロンディの家の長男ヴィンチェンツォはどうやら兵役を終えた後、ミラノへ出て定職につけないままクラウディア・カルディナーレと婚約を交わそうとしていた。その婚約披露の集まりへ母親と4人の弟が出現する。父親が死んだので、長男を頼って南の故郷を捨ててきたのである。母親はまず長男が喪服を着ていないことをなじり、婚約できるくらいなら家族の面倒も見ることができるだろうと主張する。そこで婚約は御破算になり、長男は婚約者の家からも追い出され(どうやらそこに住んでいた)、一家は雑魚寝状態でミラノに巣食って日雇い仕事に精を出す。
シモーネ:パロンディの家の次男シモーネはボクサーの才能を認められて、どうやらプロデビューを果たす。だが惰弱で一人よがりなこの男は娼婦ナディア(アニー・ジラルド)に惚れ込み、練習はさぼるわ、酒は飲むわ、タバコは吸うわ、さらにはクリーニング屋で働く三男のところへ顔を出し、借金を無心してあげくにシャツを盗んで去っていく。ナディアと小旅行を楽しみ、戻ってくるとクリーニング屋へ盗んだシャツを返しにいって、代わりにブローチを盗んでくる。まことに人間の屑なのであった。ナディアは愛想を尽かして姿を消す。
ロッコ:パロンディの家の三男ロッコはどうやら病気のようなのだが、次兄シモーネと同じボクシングのジムに通っている。そのうちに兵役に取られ、間もなく期間を満了しようという頃に駐屯地の外でナディアと出会う。ナディアは姿を消したのではなく、別のところでお務めをしていたのであったが、聖人のような性格のロッコに惚れて、ミラノでの再会を約束する。一方、惰弱な性格が災いしてボクサーとしての前途が危うくなった次男シモーネは三男ロッコがナディアと交際していることを知り、悪友を動員して二人を捕え、ロッコの前でナディアを強姦し、さらにロッコを叩き伏せる。まことに人間の屑なのであった。更生を試みていたナディアはこれで絶望し、ロッコの前から去って娼婦に戻る。ロッコはシモーネの代わりにボクサーとなり、シモーネへの憎悪を対戦相手にぶつけて勝利を果たすが、憎しみの大きさに己れを激しく嫌悪する。
チーロ:パロンディの家の四男チーロは5人の中でだた一人、夜学に通って教育を受け、アルファ・ロメオに就職している。恋人もいて、相手の父親からもよい青年であるという評価を受けているが、その間に次男シモーネは堕落の坂道をごろごろと転がり落ちていて、ナディアを家に引き入れている。だが多額の借金をこしらえて告発を受け、警察に手配されることになる。シモーネは戻らない。ナディアは再び姿を消す。借金の問題で長男、三男、四男が集まるが、長男ヴィンチェンツォはクラウディア・カルディナーレとの結婚を果たし、すでに子供もローンもあるので一切協力はできないと早々と宣言し、そこでロッコが借金弁済のためにプロボクサーとなることを決意する。そしてチーロはシモーネの前に立ってミラノから立ち去るように要求し、そうしてほしければ金をよこせとシモーネは言う。まことに人間の屑なのであった。悪友からも事実上見捨てられたシモーネはナディアが商売を再開していると聞き、よりを戻すことを望んで現場におもむくがナディアの拒絶にあってナイフを抜くことになる。ナイフを握ったシモーネをナディアは両腕を広げて向かえ受け、刺されてから死にたくないと言ってのたうちまわる。死にたくなければさっさと逃げればよかったのである。一方、ロッコはチャンピオンになっていて、家には家族全員が集まって祝杯をあげている。そこへ血まみれになったシモーネが現われ、ナディアを殺したと告白する。自虐的なまでに己れを殺しているロッコは号泣した後でシモーネを救おうなどと口走り、まさに実行しようとする。教育を受けているチーロは破滅する時には一家まるごとというロッコの指向性に耐えられず、一人走ってシモーネを警察に告発する。
ルーカ:パロンディの家の五男ルーカはまだ十に満たない少年である。ルーカはアルファ・ロメオの工場で働くチーロを訪れ、シモーネが逮捕されたことを伝える。そのことでルーカはチーロを非難するが、ルーカはそれに答えてもはや帰るべき故郷が失われていることを説明する。
これで3時間。面白くないことはないけれど、3時間使っている割りには内容が乏しい。ちなみにシモーネがレナート・サルバトーリ、ロッコがアラン・ドロン。クラウディア・カルディナーレはまだ少女のようで、これがたいそう美しい。