史上最大の作戦
- Aloysius' Rating: 6/10
The Longest Day (USA 1962, 180min.)
Directed by Ken Annakin , Andrew Marton , Bernhard Wicki, Gerd Oswald , Darryl F. Zanuck
Written by Romain Gary,James Jones,David Pursall, Jack Seddon , Cornelius Ryan
Cast:John WayneEdmond O'Brien, Henry Fonda , Rod Steiger, Mel Ferrer, Steve Forrest, Eddie Albert, Robert Ryan, George Segal, Tom Tryon, Robert Wagner,Stuart Whitman,Paul Anka, Sal Mineo, Red Buttons , Richard Burton , Sean Connery, Alexander Knox,Peter Lawford , Roddy McDowall, Robert Mitchum , Kenneth More,Peter van Eyck, Gert Frobe, Curd Jurgens,Arletty, Bourvil
いわゆるノルマンディ上陸作戦をドイツ側、連合軍側の双方から描いた超大作である。英米独の三点を軸に撮影されていて、だから監督も三人いる(実際には空挺シーン担当とダリル・F・ザナックを入れて五人)のという製作姿勢は公平だが、大半の場面は状況を伝えるだけのために存在しているので平板は否めない。だから事実主義による再現劇としては見る価値はあるのではないかと思う。オールスター・キャストもほとんど学芸会で、突っ立って台詞を喋っているだけ、手抜きに見えないのはジョン・ウェインくらいだが、これはいつもと同じような演技をしているからであろう。戦闘シーンも大味で、映像的なまとまりはあるものの、格別の迫力はない。とはいえこうした印象を抱いてしまう原因はこの映画にあるのではなく、むしろこちらにあるのかもしれない。似たような平板なドラマでも、たとえば1815年の戦役を再現した
「ワーテルロー」
などを見てしまうと、どうしても質的に劣っているように見えてしまう。もちろんこちらは多角的に進行する現代戦で、あちらがたった一回の会戦を扱っているという違いはあって、その分だけあちらの方が有利なのは間違いないのだが、適当に脚色をしながら実際にあった戦争を描くという点では同じ筈なのである。察するに指揮系統に介在する高級将校の数が現代戦ではやたらと増えていて、そのせいでドラマとしての成立が困難になるということなのかもしれない。近代国家の軍隊とは、一種の官僚軍にほかならないからである。