地獄に堕ちた勇者ども
- Aloysius' Rating: 5/10
La Caduta degli dei (Switzerland/taly/West Germany 1969, 155min.) Directed by Luchino Visconti Written by Nicola Badalucco, Enrico Medioli Cast: Dirk Bogarde, Ingrid Thulin, Helmut Griem, Helmut Berger , Renaud Verley , Umberto Orsini, Reinhard Kolldehoff, Albrecht Schoenhals, Nora Ricci,Charlotte Rampling, Florinda Bolkan

我が国のサブカルチャーに重大な影響を与えた「退廃したナチ」映画である。エッセンバッハ家の鉄鋼会社に勤めるダーク・ボガードはエッセンバッハ家の長男の嫁イングリッド・チューリンの毒牙にかかり、請われるままに権力の獲得を目指して会社を手中にする。ナチと結託して社長を殺害すると罪を善良な副社長ウンベルト・オルシーニにかぶせ、さらにその妻シャーロット・ランプリングを収容所に放り込む。それでも足りないということで突撃隊と一緒に叔父さんも殺し、さらにダーク・ボガードはエッセンバッハ家の一員であるというヒトラーのお墨付きまで手に入れる。目的を達したダーク・ボガードが増長していると、イングリッド・チューリンが息子ヘルムート・バーガーの反撃にあって行動不能に陥り、ダーク・ボガードの増長を快く思わないナチのヘルムート・グリムが追い討ちをかける。ダーク・ボガードとイングリッド・チューリンは立ち往生したまま自殺する。テレビ映画のような雑なカメラワーク、唐突なアップ、話の都合で盛り込まれたような独白、しかも時間の経過も人物の関係も説明のしかたが下手糞で、全体として見る限りいいところはほとんどない(音楽のモーリス・ジャールも手を抜いている)。というわけで衣装とか家具とか、あるいは男どもの顔をしつこく追いかけるカメラとか、細部を見る映画ということになるのであろう。